ツール・ド・フランスまで後もう少し。
前回は、偉大なる村長、ナイロ・キンタナについて紹介しました。
今回は、まだまだ健在のスタースプリンター、マーク・カヴェンディッシュです。
マーク・カヴェンディッシュ
カヴェンディッシュは、1985年生まれの34歳。
マン島出身のロードレーサーで、その圧倒的なスプリント力から、キャノンボールの異名を持ちます。
2016年からチーム ディメンションデータに所属する、エーススプリンターです。
身体的な特徴は、175cmと大柄が多いスプリンターの中では比較的小柄な体型です。
生粋のピュアスプリンターで平坦にはめっぽう強く、最強スプリンターのサガンでさえ純粋なスプリントでは敵いません。
しかしその反面、山岳は大の苦手で、ゆるい勾配でも大きく遅れてしまうこともしばしば。
2008年のツール・ド・フランスでは、1番低い等級の4級山岳で遅れて最下位になったこともあります。
そして、揺れの少ないダンシングこそ彼の特徴であり、深い前傾姿勢で見た瞬間彼を見分けられるほどです。
Mark Cavendish - The Sprint King
グランツールでは
全グランツールでポイント賞を獲得経験のあり、特にツール・ド・フランスでは、ステージ通算30勝も上げています。
ツール優勝記録は、エディ・メルクスが保有する34勝ですから、カヴェンディッシュが更新する可能性が最も大きいのです。
サガンのように、山岳もこなせるスプリンターではないので、グランツールなどの大会では、完走できないこともあります。
2017年には、埼玉県で行われたツール・ド・フランスさいたまクリテリウムで、私達日本人の見守るなか、見事優勝しました。
私も現場で見ていましたが、やはり本物は違いました。
キス病に感染
カヴェンディッシュは、何年か前からキス病というものに感染していました。
キス病とは、何なのか。
Wikipediaから引用してきました。
EBウイルス(以下EBVと略記)は、いわゆる「キス病」と言われる伝染性単核球症の原因ウイルスとして有名である。
日本では成人までに90%〜ほぼ100%の人が唾液や性分泌液等を介してEBVに感染する。
巧妙に潜伏、また時に応じて再活性化を来たして維持拡大を図るため、ウイルスは終生にわたって持続感染し排除されない。
またEBVは腫瘍形成に関わる腫瘍ウイルス(癌ウイルス)としても知られ、種々の悪性リンパ腫・胃癌・上咽喉癌・平滑筋肉腫・唾液腺癌といった種々の癌を引き起こすことも知られている。
最近では乳癌を引き起こすことができることも示されている。
日本においてはEBVは、人気声優の松来未祐が慢性活動性EBウイルス感染症によって死亡し、マスコミで取り上げられたことにより広く知られた。
日本人のほぼ全員が発病していないだけで感染しています。
発病すると、倦怠感が続き、最悪の場合癌になると。
有効なワクチンも存在せず、治療法もありません。
おとなしくしているしか無いという状態です。
昨年のツール・ド・フランスでは
ツール・ド・フランスの時点では、キス病の感染はわかっていませんでしたが、1ヶ月後に検査したところ発覚しました。
十中八九、ツール出場時には発病していたと思われます。
2018年は全く活躍できませんでした。
出場はしましたが、特に良いところもなく、第11ステージであっさりタイムアウトで失格になってしまいました。
そのステージで、ディメンションデータは、2人も失ってしまいました。
その後の経過
契約の終了とともに移籍が決まると思われましたが、残留。
回復に励みながら、調整をしていましたが、あまり思うように行きませんでした。
ツール以降は1勝もしていません。
しかし最近になって続報が届きました。
体の数値が、この2年間で初めて完治と言えるところまで戻ったと。
病気の方は順調に回復していました。
今年こそツールでステージ優勝を挙げてくれるでしょう。
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