ロードレースの原点から現在に至るまで、ずっと続く問題がドーピング。
特に、体力や肺活量が物を言うロードレースでは、血液を増量させるエリスロポエチン（EPO）薬が効果を持つと言われている。
しかし、来年の東京オリンピックに合わせてEPO薬や輸血ドーピングのテストがさらに進化して、より発見しやすくなるだろうと発表された。
情報源：More sensitive blood doping test could debut in Tokyo Olympic Games | Cyclingnews
EPOドーピング
EPOドーピングは、EPO薬を摂取することで血液量や血液中の赤血球料が増加を促すこと。
赤血球量が増すと、筋肉に運ばれる酸素量が増えて持久力が増す。
主にロードレースやクロスカントリーなど、長距離系の競技に用いられるドーピングで、かつてはあのランス・アームストロングも行った。
現在のEPOドーピングテストでは、ドーピング使用後数時間しか薬物を検出することはできない。
そして、EPOは体内でも生成されるため、時間が経てば体内で生成されたものと区別がつかない。
今年あったMarion SicotのEPO陽性の件も、EPO量が異常だったことは確認されたけど、物理的に薬物を摂取したと確認できなかったから、現在まで裁判が続いている。
しかし、このテスト方法はまもなく変わるとのこと。
新ドーピングテスト
新しいテストでは、ドーピング使用後後数時間しか検出できないものが、数ヶ月にまで増える。
これは遺伝子研究の進歩によって、血液ドーピングを行った結果起こる遺伝子の変化を確認できるようになったということ。
"With research on genetic sequencing progressing well, this new approach could be a groundbreaking method to detect blood doping, weeks or even months after it took place,"
遺伝子配列決定に関する研究が順調に進んでいるので、この新しいアプローチは、血液ドーピングが行われてから数週間、さらには数ヶ月後にも画期的な方法になる可能性があります。
わかりやすく言うと、今までは万引きは現行犯でないと逮捕できなかったけど、今は防犯カメラがついたことによって後からでも逮捕できるようになった。
それと同じ。わかりにくい？
施行のタイミング
この画期的なドーピングテストは、東京オリンピック時には施行されるよう急いでいる。
"If approved by the World Anti-Doping Agency, such gene testing could be used at the Tokyo Olympics. These new methods will again strengthen deterrence. We want the cheats to never feel safe, anytime or anywhere."
世界アンチドーピング機関によって承認された場合、この検査は東京オリンピックで使用することができます。これらの新しい方法は、抑止力を強化します。
東京オリンピックに使う場合、その以前からのドーピングテストの結果も必要になるため、オリンピック開始前に多くのサンプルを保持すると述べた。
"This will add to the fact the pre-Games testing programme will be the most extensive ever, aimed to maximise both detection and deterrence,"
これによりオリンピック前のテストプログラムは、検出と抑止の両方を最大化することを目的として、これまでで最も広範囲になります。
2016年のリオオリンピックでは、ロシアの国ぐるみのドーピングによって、ロシアの多くのアスリートが競技から除外された。
この件に関しては、ネットフリックスのドキュメンタリー映画「イカロス」がわかりやすいし面白い。
そして、年々厳しいドーピング検査に非難の声が上がっているが、デンマークの研究では自分の血を135ml再輸血するだけで5％の性能向上が確認されている。
明らかにバランスがおかしくなるといえる。
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