ツール・ド・フランスまで後もう少し!
前回は、最強スプリンター、ペーター・サガンについて解説していきました。
今回は、史上6人目の全グランツール制覇者、ヴィンチェンツォ・ニバリです。
ヴィンチェンツォ・ニバリ
ニバリは、1984年生まれの34歳。
イタリアは、メッシーナ出身のロードレーサーです。
愛称は、その獰猛な走りから、海峡のサメ (lo squalo dello Stretto)と呼ばれています。
チームは、バーレーン・メリダに所属しており、来年からは、トレックに移籍が決定しています。
日本人の新城幸也とチームメイトで、残念ながら、新城は怪我の影響でツールには出ませんので、新城ファンはニバリの優勝を願うばかりでしょう。
タイプとしては、典型的なオールラウンダーで、Ineosのフルームと同じく、登り・タイムトライアルどれも隙がありません。
フルームという最強の壁が居なくなった今、優勝候補大本命といっていいでしょう。
グランツール
ジロ・デ・イタリア2回、ツール・ド・フランス1回、ブエルタ・ア・エスパーニャで1回と全グランツール制覇者です。
これは、2018年までのシーズンで、歴代7人しか達成していません。
2014年にニバリが達成し、2018年にフルームが達成しました。
2014年のツールドフランスでは、昨年優勝者のフルームと2度の優勝経験があるコンタドール、そして昨年のジロ・デ・イタリア優勝者のニバリの三つ巴が予想されました。
しかし、フルームが石畳で落車し骨折、コンタドールも山岳下りで落車し骨折でリタイヤ。
その結果、区間優勝を4度もしたニバリが、2位と7分以上もの大差で総合優勝しました。
昨年のツール
この年も、優勝候補の一角としてレースに参戦していました。
第11ステージまででトップから59秒遅れという上々の結果でしたが、翌日の第12ステージ。
悲劇が起こりました。
落車です。
Te prometí algo bueno de Alpe d'Huez profe @jhonjaimeosorio , acá tienes la razón de la pérdida de tiempo de vinci pic.twitter.com/wYUrI73Qkc
— Diego Alvarez (@diegoalvarez12) 2018年7月19日
観客で道幅が狭いコースでニバリのバイクが、観客の持つカメラのストラップに引っかかり、 落車しました。
落車してからもバイクに飛び乗り、必死の追走でメイン集団に追いつくほどの走りをしました。
ゴール後すぐに病院に運ばれましたが、結果は、胸椎の椎体骨折という重症でした。
この結果ニバリはツールから去ることになりました。
ニバリはこの落車について、
「警察のオートバイが2台居た。その場所にはバリアが無く、フルームがアタックしたときについていった。調子が良かった。そして(前が)スローダウンして、僕は転んでいた。何があったか分からなかった」
とレース後に話しました。
今年のツール
年齢的にも、今年がツール制覇の最後のチャンスかも知れません。
フルームもいない、昨年2位のデュムランも本調子でない今回は、かなり勝機があります。
あとは、アシストがどれだけ役に立ってくれるかが鍵になってきます。
バーレーン・メリダで走る最後の年ですから、悔いのない走りをしてほしいですね。
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