去年の雪辱を胸に、ツールに向けて調整を続けたクリス・フルーム。
しかし、運に見放されたフルームは、ツール前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの試走中に落車。
ツールが目の前に迫っていながら、みすみす逃すことを余儀なくされてしまった。
情報源:Chris Froome returns to training for first time | Cyclingnews
事故によって負った怪我
この落車によって、フルームは大腿骨、肘、椎骨、胸骨を骨折した。
4パイント(1パイント大体500ml、つまり2L)の血を流し、目が覚めたときには病室にいた。
過去にも書いたように、事故はTTの試走中に起こった。
下りで鼻をかもうとした時に風に煽られ、バランスを崩して転倒。
病院に搬送される時に、監督に「ツールに出れるか」と聞いたけど、起きたときの自分の状態を見て、無理だと悟ったらしい。
怪我の回復
さすがアスリートと言うべきか、怪我は順調に回復している。
1ヶ月経った時点で、片足でペダリングができるほど。
その要因は、科学に基づいた理学療法を毎日行っているから。
毎日3~4時間の理学療法と、2時間の屋内運動というメニューをこなしている。
そして最近、2ヶ月ぶりに屋外で自転車に乗った。
自転車競技場を2周したそうだけど、レースに復帰するにはまだ掛かりそう。
Ça a l'air d'aller plutôt bien pour Chris Froome🇬🇧! Le coureur est en train d'expliquer sa chute à un collègue aux alentours de Nice aujourd'hui.
— Nico 🤙🚵♂️ (@Nico_isn) August 29, 2019
Quel mental pour revenir si rapidemment sur un vélo, chapeau. 👏👏 pic.twitter.com/8GzgdGpxdX
でも、来年のツールには間に合うだろうとの見通し。
これからのフルーム
フルームは最近、フアン・ホセ・コーボのドーピング違反が確定したことによって、2011年のブエルタの順位が繰り上がり、総合優勝になった。
これによって、グランツールの優勝回数は、現役最多の7回となった。
そして、昨年のツールは親友のトーマスに敗れ、今年は自分が出ない間に後輩のエガン・ベルナルに総合優勝の座を渡し、辛酸を舐めさせられてきた。
来年は、間違いなくツール5勝目を狙ってくる。
総合エースの座を争うことになるだろう。
チーム側は嬉しい悲鳴。
来年のエースは、フルームなのかトーマスなのか、はたまたベルナルなのか。
"I'm ahead of all the predictions that were made initially of how long it would take even just to get to this point."
この時点に到達するまでには、最初にした予想よりも進んでいる。