最近、eスポーツというものが日本でも徐々に浸透し始めている。
eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略称で、TVゲームのような画面を通した競技である。
スポンサーの集まりやすい業界だからか、開催された優勝賞金が1億を超えるものもある。
ただ、活気づくと毎回言われることは、e”スポーツ”の部分。
手先と目しか使っていないのにスポーツとは何事だ、という意見も少なくない。
しかし、eスポーツの中でも一番スポーツに近いものがある。
それが、Zwiftである。
ちなみに、英語で言うスポーツは体を動かすものだけでなく競技全般に言われるものである。
情報源: How the first British e-racing champion had his title stripped | CyclingTips
:British eRacing Champion banned for cheating | Cyclingnews
Zwift
Zwiftは、いつかの記事でも紹介したバーチャルで他人とライドができるアプリケーション。
設置された固定ローラー台に乗れば、世界中のどこでも、憧れの自転車レーサーが走ったコースを走ることができる。
年々勢いを増していって、2018年に行われた第4回世界大会では総額賞金が$100,000(約1070万円)にも上った。
これが他のeスポーツと一線を画すのが、運動量がゲームとは思えないほどだということ。
漕ぐ足に力を入れれば画面上で速く走れる、たったそれだけのことでどんどん競争も激しくなってくる。
トップの走りはプロロードレーサーに引けを取らない。
機械の抜け穴
しかし、所詮は機械。
抜け穴を探ろうとするものもでてくる。
ブリティッシュサイクリングは、システムを不正に利用して恩恵を受けた、初代eRacingナショナルチャンピオンのキャメロン・ジェファーズのレースタイトルを剥奪した。
Zwiftは、ある一定の距離を走ると機材をアップデートすることができる機能がある。
そして、ライダーの体重によって漕ぐ力も変わる。
普通、体重が軽い人は軽い分少ない力である程度の速度が出る。しかし筋肉量も少ないから、最高速も伸びない。
反対に、体重が重い人は重い分たくさんの力である程度の速度が出る。しかし、筋肉量が多いから最高速は伸びる。
いわゆるマリオカートの軽量級・重量級みたいなもの。
ジェファーズはこれを利用して、プロフィールの体重を変更し走った。そうすることで、2000Wで200km走るという裏技を成し遂げた。
結果、パフォーマンスが向上するZwift Concept Z1のバイクのロックを解除した。
あるコースを同じパワーで走ると、標準バイクは51:08、Z1は50:52と、16秒も短縮された。
処分
ジェファーズは、
“I accept this practice was unethical and unsporting and I have fully cooperated with BC on their investigation,”
私はこの慣行が非倫理的でスポーツに反していることを受け入れ、彼らの調査に関してBC(ブリティッシュサイクリング)と完全に協力しました。
“I fully believe in esports and its part in cycling's future.I will continue to support it and use what I have learnt from my mistakes to help shape it as it grows.”
私は、eスポーツとサイクリングの将来におけるその役割を完全に信じています。私はそれをサポートし続け、自分の過ちから学んだことを使って、成長に合わせて形を整えていきます。
と話した。
eレース初代世界チャンピオンのジェファーズは、そのタイトルを剥奪され、6ヶ月間のレース停止、£250(約33,000円)の罰金が科せられた。
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