最近になって少しずつ新型ウイルスも収まりを見せて、ロードレース各種も徐々に活動を再開している。
しかし、現在開催されているツール・ド・ポローニュで深刻な事故が発生した模様。
怪我を負ったのは、ドゥクーニンク・クイックステップのファビオ・ヤコブセン。
8月5日は、昨年逝去したビョルグ・ランブレヒトの命日でもあります。
ツール・ド・ポローニュ第1Sでの大事故
昨日、8月5日から9日にかけての5日間でポーランドを舞台にしたツール・ド・ポローニュ(ポーランド一周)が開幕された。ステージレースとしては4ヶ月半ぶりの再開である。
第1ステージの概要はこんな感じ。
多少アップダウンはあるが、スプリンター向けのステージと言える。
大方の予想通り、2つ目の山岳ポイントを通り過ぎた後は逃げ集団を吸収して、各チームはトレインを作りながら激しい位置取り合戦を始めた。
残り7km地点でフラン・モラノが接触落車。大事には至らなかったがここで戦線離脱。
そして残り1km。ドゥクーニンク・トレックなどを先頭に下り基調から少しだけ登るホームストレートへ。
残り200mほどで各チームのエースが一斉に発射。
ユンボ・ヴィスマのディラン・フルーネウェーヘン、ドゥクーニンクのファビオ・ヤコブセン、FDJのマルク・サローなどが横並びになってスプリント。
しかし、その最中でフルーネウェーヘンがヤコブセンを幅寄せ。壁側に追い込まれたヤコブセンは逃げ場所がなく70~80km/hの状態でフェンスに激突。
レース関係者、フルーネウェーヘンを含めた他選手を巻き込みながら激しくクラッシュした。
レースは落車しながらも、フルーネウェーヘンがトップでラインを割った。
実際のスプリント映像
こちらがスプリントの映像である。
Massive crash on the finish line in stage 1 of 🇵🇱@Tour_de_Pologne! #TDP20 (📺@sport_tvppl) pic.twitter.com/mwvDwS9Y3i
— World Cycling Stats (@wcsbike) August 5, 2020
画面左側で激しくクラッシュしているのが見えるだろうか。
そして更に見やすいものがこれである。
😕#TourDePologne pic.twitter.com/ZiGMrIOGFa
— Paweł Rybicki (@Rybitzky) August 5, 2020
そしてこれ
Mais imagens da queda feia no final da etapa 01 do @Tour_de_Pologne #tdp20 pic.twitter.com/KBFzLW9tsL
— País do Ciclismo (@DoCiclismo) August 5, 2020
これはひどい。
怪我人の容態と裁定
トップでゴールを割ったのは、フルーネウェーヘンであるが事故の要因を作ったことは明白。
そのため、フルーネウェーヘンは即時に失格裁定を下され優勝は2番手で通過した?ヤコブセンとなった。
しかし、表彰を受けられるはずもなくドクターヘリに乗り病院へと向かった。
ドゥクーニンクのHPでは、
ファビオ・ヤコブセンの状況は深刻ですが、現時点では安定しています。診断では脳や脊髄の損傷は明らかになりませんでしたが、複数の重大な損傷のために、彼は依然として昏睡状態にあり、数日間綿密に監視する必要があります。
とのこと。
さらに地元メディアは、
頭や胸を強く打ち付けたことで大量出血を伴う頭蓋頭蓋損傷や臓器ダメージを負い、「生命が危険な状況」だったが脳や脊髄損傷は無いという。
と報じている。
ちなみに、ヤコブセンが突っ込んだ先にいたオフィシャルの男性は、大きな怪我もなく治療を受けているとのことだ。
The referee after #TDP20 crash. He's ok. Picture from Polish Press Agency pic.twitter.com/ksNYxCJBt2
— Daniel Ludwiński (@D_Ludwinski) August 5, 2020
フルーネウェーヘンとレースについての批判
こんな事故を起こしたフルーネウェーヘンは、当然のごとく批判の渦にさらされている。
さすがにこの幅寄せにはUCIも怒髪天を突いた。
集団落車を引き起こした危険な行動を強く非難し、容認することはできない。直ちにこの問題を懲戒委員会に委ね、深刻さに見合った制裁を課すよう要求した。
この文面を見ると、レース失格処分の他にさらなる追加処分を検討しているように見える。
また、現在Cofidisに所属しているファビオ・サバティーニは、レースそのもの仕組みについても批判を向けている。
A prescindere che a @GroenewegenD va data una forte squalifica, ma il @Tour_de_Pologne deve capire che fare un’arrivo a 85km/h e’ sempre un suicidio. E sono anni che la penso alla stessa maniera, ma vogliono sempre lo spettacolo. Ecco lo spettacolo. Prego per @FabioJakobsen 🙏
— fabio sabatini (@SabatiniFabio) August 5, 2020
フルーネウェーヘンに処分を与えるのは当然として、UCIは85km/hで行われるスプリントは常に自殺行為であることを理解する必要がある。私は何年もそのように訴えているが、彼らはいつもショーを望んでいるようだ。その結果がこれだよ。
ロード界がざわつく中、多くの選手たちはヤコブセンの無事を祈っている。
管理人も無事に回復することを祈る。