ホンダのPUを搭載したレッドブルレーシングが、F1オーストリアグランプリで、優勝しました。
これは、2006年のハンガリーグランプリ以来、13年ぶりの快挙とのことです。
今回は、2015年のF1復帰から今回の優勝までを振り返っていきたいと思います。
2015年にレース復帰
80年代後半に16戦15勝するなど、圧倒的な全盛期をマクラーレンと共にしたホンダでしたが、他のチームの発達や、不況の煽りを受けF1から撤退。
その後は、参入しては、いい結果が出ず撤退を繰り返していました。
そして、第4期として、2015年からマクラーレンにパワーユニット(エンジンおよびエネルギー回生システム)を提供すると発表しました。
しかし、新しい時代に着いてこれなかったのか、パフォーマンスはそれほど良くなく、信頼性に関しては最悪のものでした。
そして、マクラーレンや選手によるプレッシャーもひどいものでした。
マクラーレンの作るシャシーもひどいものでしたが、すべての責任をホンダに擦り付けて、マスコミを先導していました。
選手のアロンソも、過剰にホンダを酷評しました。
「GP2!GP2!」(F1の下部組織、パワーが無いことの比喩)
その後
2016,17と順位も上がり、着々と成長しつつありましたが、信頼性の低さはあまり改善されず、ついには、マクラーレンとの契約を2017年いっぱいで解消することになりました。
この3年間について、F1の元ボス、バーニー・エクレストンは、
「毎日毎日、彼らは協力して働くのではなく、あらゆることで戦いをしかけていた。愚かなことだ」
とマクラーレン側の態度を批判しました。
2018年から、トロロッソに供給を開始しました。
開幕戦から、パワーユニットのトラブルが起き、リタイヤという結果で、厳しいスタートとなりました。
その後もチーム戦略など、いろいろな要因が重なり、古巣マクラーレンを超えることができませんでした。
レッドブルに供給を開始
トロロッソの親チームであるレッドブルが、パワーユニット供給元のルノーとの関係が悪化し、その関係から、ホンダと2年の供給契約を結ぶことになりました。
レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは、「今シーズンのホンダには大きな進歩が見られた。カナダGPで投入されたルノーとホンダの各新パワーユニットへの調査の結果、パワーユニット変更への決心が付いた」
と期待しました。
そして今年
開幕戦オーストラリアグランプリから3位入賞と、2015年のF1復帰以来初の表彰台を獲得しました。
初戦から、マクラーレンを順位として超えたこともホンダは、新たな一歩を踏み出しました。
第5戦スペイングランプリでも3位入賞をし、上位チームとして恥ずかしくない走りを見せました。
第6戦モナコGPでは、フェルスタッペンがチャンピオンハミルトン相手に、見事な走りを見せました。
最後の最後までハミルトンを追い詰めましたが、一歩及ばず。
序盤にボッタスと接触した責を問われ、4位降格処分を受けました。
オーストリアグランプリ
予選の順位は、フェルスタッペンが2番グリッドと上々の結果で、レースに期待がかかりました。
ですが、フェルスタッペンはスタートに失敗し、7番手まで後退。
今回も優勝はないかと思われましたが、そこからフェルスタッペンが鬼神のような走りを見せました。
コース上で次々とオーバーテイクを決め、うまくタイヤをコントロールし、終始誰よりも速い走行をしました。
31周目にピットインをした後は、残った3人を次々と抜いて、残り3週で首位に躍り出て、そのままフィニッシュ。
見事、レッドブルとしては今シーズン初、ホンダとしては復帰後初優勝を上げました。
八郷隆弘 (本田技研工業株式会社 代表取締役社長)
― 勝利を支えて下さった皆様に感謝を
「ついにF1での優勝を果たすことができました。2015年の復帰以降の道のりを考えると、大変感慨深く、また心からの喜びを感じています。まず、勝利を勝ち取ったマックス・フェルスタッペン選手とAston Martin Red Bull Racingに感謝いたします。また、これまでHondaのF1プロジェクトに対し多大なるサポートを頂いた各ドライバーやScudeiria Toro Rossoは言うまでもなく、サプライヤー様や関係者の皆様も含め、支えてくださったすべての方々に、御礼を申し上げます。」
ホンダ | 2019年 F1オーストリアGP 決勝レポート 【 F1-Gate.com 】
2019 Austrian Grand Prix: Race Highlights
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