プロにはどう成るのか?今さら聞けない将棋棋士の話。【藤井聡太に迫る】

2年前に一躍、時の人となった藤井聡太現七段

 

史上最年少の14歳2ヶ月での四段昇段(プロ入り)者であり前人未到の、プロデビューからの最多連勝29連勝を達成した人物です。

 

昇段した日は、ニュースやワイドショーで取り上げられていましたが、なぜ騒がれていたのかわからない人もいるかも知れません。

 

棋士になることは凄いことなの?

 

今回は、そんな今さら聞けない将棋棋士の話を解説していこうと思います。

 

 

 

奨励会

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将棋棋士になるには、まず奨励会という組織に加入します。

 

これは、下部組織の研修会からライバルたちに打ち勝ってきた、猛者中の猛者だけが棋士の推薦を受けて入会できます。

 

一定の成績を残すと、6級から5級、4級、3級…と昇級ができます。

 

最低級位の6級で、アマ3段から5段の実力があると言われています。

つまり、奨励会に入会ができる時点で、相当な天才であり実力者です。

 

芸能人一将棋が上手いと言われている、つるの剛士さんですらアマ3段です。

 

三段リーグ

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そのまま順調に昇級、昇段をすると、三段リーグというものに挑むことになります。

 

ここでの戦いが、将棋人生の中で一番苦しい時期と言っても過言ではありません。

 

同じ三段同士でリーグ戦を行いますが、ここで上位二名に入らなければプロになることはできません。

 

実力の勝負でもありますが、1日に2戦しますから精神面でも力を試されるようになります。

 

18~19戦中、5敗までがリミットラインでこれ以上負けると、昇段は厳しくなります。

 

全員がギラギラしています。

 

理由は、もちろん昇段したいからということがありますが、もう一つは、奨励会には年齢制限があるということです。

 

年齢制限

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41歳でプロ棋士に成った異例中の異例

満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となります。

 

ただし、勝ち越しを続ければ満29歳を迎えるリーグ終了まで延長して在籍できます。

 

この制度があるため、なるべく早く三段リーグを突破したいわけです。

 

なぜこんな制度があるのか、不思議な人もいるかも知れません。

そのくらいの実力があるなら本人の自由にさせてやれと。

 

ですがこれは、将棋連盟の温情と言って良いかもしれません。

 

三段リーグまで勝ち上がってきた天才たちは、想像を絶する努力をしています。

勉強や友人関係や生活を投げうってここまで勝ち上がってきました。

 

そんな人が、30、40になって棋士を諦めたら、何もできないし、仕事もないでしょう。

 

路頭に迷う人が居なくなるように作られた制度なのです。

 

藤井聡太

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そんな地獄の三段リーグを藤井さんは、1期で突破し、史上最年少の14歳2ヶ月で四段昇段を果たしました

 

三段リーグを1期抜けしたのは、史上6人目です。

 

成績は、13勝5敗で1位でした。

 

藤井さんが、あと1敗していたら、12勝6敗で6人が並ぶことになるので、初参戦の藤井さんは順位が下で、昇段ができませんでした

 

一方、一緒に戦っていた、荒木隆さんは最後の対局で負けてしまい、9勝9敗。

 

勝ち越しできなかった荒木さんは、年齢制限を迎えて、奨励会を退会していきました。

厳しい世界です。

www.i-tsu-tsu.co.jp

【速報】荒木さんが、昨日行われた朝日杯将棋オープン戦で出口四段に勝利。

中学生棋士

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ひふみん全盛期

中学生棋士という字面だけで凄いことはわかると思いますが、実際に、何人が成っているのでしょうか。 

 

古い順から、加藤一二三・谷川浩司・羽生善治・渡辺明で、最年少は、加藤一二三の14歳7ヶ月。

 

藤井聡太が更新するまで、62年間に渡り維持されました。

 

将棋ファンは、藤井聡太がタイトルを取るのは既定路線で、遅かれ早かれその時は来るだろうと思っています。

 

その理由は、先程の棋士4名は、全員がその世代の天才であり、タイトル経験者であるからです。

 

加藤氏は、歴代3位の勝利数でタイトルは、通算で8期タイトルを獲得、谷川氏は通算27期で、名人に関しては、5期獲得しているため永世称号の十七世名人の資格を持っています。 

 

羽生氏は、歴代1位の通算99期で、新しく登場した、叡王を除くすべて永世称号の資格を有しており、すべてのタイトルを同時に獲得したこともあります。 

 

渡辺氏は、通算22期で竜王に関しては、歴代1位の9連覇を含む11期。初代永世竜王の資格を得ています。棋王も7期連続で制覇して永世棋王資格を得ました。

 

このように、中学生で棋士になった者は、すべてがその時代で輝き、羽ばたいています

 

藤井七段も、そう簡単に行かないでしょうが、成長して必ずタイトルを獲得してくれるでしょう。 

 

藤井七段の直近のタイトル挑戦 

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藤井七段は、3年連続で、竜王戦の本戦に進出しており、6月28日の2回戦で近藤六段に勝利。

 

3回戦に進出します。 

 

この勝利で、藤井七段に期待がかかるのは、最年少でのタイトル挑戦と獲得記録です。

 

どちらも、屋敷九段が17歳10ヶ月で挑戦。18歳6ヶ月で獲得という記録を持っています。

 

藤井七段がこの記録を塗り替えるには、今年が最後のチャンスです。

 

まだまだ成長の段階かもしれないですが、頑張ってそこまで行ってほしいですね。

 

3回戦は、7月5日に久保九段と対局です。

 

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