元シクロ王者のワウト・ヴァン・アールト。
今シーズンはユンボヴィスマに移籍して1年目のシーズンで、ツール・ド・フランスではステージ優勝もした。
しかし、そのツールのTTステージで落車し大怪我を負った。
幸いにも順調に回復して、今は春のシクロレースに向けて調整中。
そして、ヴァン・アールトには進行中の裁判が有った。
その判決が、火曜日に出た。
情報源:Nuyens to appeal verdict in Van Aert case | Cyclingnews
:Van Aert wins legal battle and avoids paying €1.1 million in damages | Cyclingnews
裁判内容
裁判の原告は、ヴァン・アールトの前所属チームVerandas Willems-CrelanのマネージャーNick Nuyens氏。
内容は、2018年の9月にヴァン・アールトが、後1年残っているチームとの契約を勝手に打ち切ってユンボヴィスマに移籍してしまった、というもの。
Nuyens氏は、ヴァン・アールトに110万ユーロ(現在のレートで約1億3千万円)を請求した。
シクロ世界王者のヴァン・アールトが前触れもなくチームを抜ければ、彼を中心にチームを組み立てると思っていたスポンサーは不満がたまるはず。
もし、本当に正当な理由がなくヴァン・アールトが離脱していた場合、多額の違約金を払うのも致し方無いと言える。
対して、ヴァン・アールトの意見はこうだ。
財政難に陥ったチームが他のチームと合併の交渉をしていたが、自分はそれを知らなかった。それを知ったのは、公式の情報が発信される5分前のこと。
信頼の置けないチームにこれ以上留まるのは不可能ということ。
ヴァン・アールトは、この21世紀にこのように扱われることが信じられないとまで言っている。
判決
結果は、大方の予想通りヴァン・アールトの勝訴。
つまり、ヴァン・アールトのチーム離脱は、信頼の欠如による緊急の理由として認められた。
この結果により、ヴァン・アールトはもちろん110万ユーロを払うことはなく、裁判諸費用もNuyens氏が負担することになる。
ヴァン・アールトは、火曜日に法廷に赴くことはなかったが、すぐに弁護士からの連絡を受けたらしい。
弁護士のコメントがこちら。
"He can now find mental peace and fully concentrate on his sport,"
彼は今、心の余裕をすべてサイクリングに注ぐことができる。
“Cycling is not just a sport, there must be trust between employer and employee.
サイクリングは単なるスポーツではありません。雇用主と従業員の間には信頼がなければなりません。ここではもはやそうではありませんでした。
控訴
しかし、まだ終わりではない。
裁判は負ければ控訴ができる。
そしてNuyens氏は、それをするようだ。
彼の弁護士のRudi Desmet氏は、こう述べている。
"We find this a surprising and unbalanced judgment,"
これは驚くべき不公平な判断だ。
"We will therefore appeal.
したがって、私たちは控訴します。
"Nick is also disappointed. Rightly so, because I think the normal rules have not been applied correctly here. In the event of a breach of contract, the bar is always very high. You must have conclusive proof that the other party has made a very serious mistake."
ニックも失望している。当然のことながら、ここでは通常のルールが正しく適用されていないと思う。契約違反の場合、基準は常に非常に高くなります。相手が非常に重大な間違いを犯したという決定的な証拠が必要です。
ヴァン・アールトが完全に安心できるまで、もう少しかかるかも知れない。
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