ツール・ド・フランスまで後もう少し。
前回は、優勝候補筆頭のヴィンチェンツォ・ニバリについて解説しました。
今回は、こちらも優勝候補の一角、ナイロ・キンタナについて紹介していきます。
ナイロ・キンタナ
キンタナは、1990年生まれの29歳。(6年前から顔は老けています)
コロンビア出身で、使用語はスペイン語。
2012年からスペインのワールドチーム、モビスターに所属しています。
走りのタイプは、完全なクライマーで、山岳に長けているスペシャリストです。
反面タイムトライアルに弱く、大差をつけられることも少なくないです。
ツール・ド・フランスでは、長年フルームのライバルとして健闘し続けました。
グランツールでは
2014年にジロ・デ・イタリアで、コロンビア人としては初の総合優勝を成し遂げました。
2016年には、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝。
平坦が少なく、急勾配の山岳が多いジロやブエルタは、キンタナの最も得意とする大会です。
これで、全グランツール制覇までツールを残すのみとなりました。
ツール・ド・フランスでは
2013年に初出場しましたが、23歳の若手ながら、数多くの優勝候補を凌ぐ走りで、フルームに次ぐ総合2位。
第20ステージでは、ステージ優勝も果たし、山岳賞と新人賞を受賞し、表彰台に登りました。
その後も2015年には総合2位、16年は3位と表彰台に登る力はありつつも、総合優勝は取れずにいます。
昨年のツールでは
モビスターは、2018ツールで思い切ったことをしました。
それは、トリプルエース体制です。
ナイロ・キンタナ、 アレハンドロ・バルベルデ、ミケル・ランダの3人全員がエースで、大会中の状況によって最終的に誰を勝たせるかというもの。
結果的に言うと、これは大失敗に終わりました。
3人がエースということは、残り5人のアシストは、三分割されるわけです。
他のチームは1人のエースに7人のアシストがいるわけですから、アシスト力に差が出てしまいます。
三兎追うものは一兎も得ず、といった感じです。
今年のツールでは
残念ながらといって良いのか、モビスターは、今年もトリプルエース体制の戦略を取ると予定しています。
もちろん作戦が大ハマリすることもありますが、キンタナとしてもこの作戦は面白くないようです。
しかし、キンタナが総合優勝する要素はあります。
それは、彼が最も得意とする、標高2000m超の山岳が3つあります。
キンタナはコロンビアの高地出身。
長く生活を続けてきた高地こそが、彼に向いているステージなのです。
キンタナの2019年は、ツールに照準を合わせています。
今年こそ総合優勝を飾って、史上9人目の全グランツール制覇を達成してほしいですね。
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