ランス・アームストロングといえば、ツール・ド・フランスを7度制している偉大な選手であるが、同時にドーピングという罪を犯した選手でもある。
そんなアームストロングを、ウクライナ大統領がウクライナの情勢と比較して話した。
情報源:Ukrainian president compares nation to Lance Armstrong - Cycling Weekly
ウクライナは岐路に立っている
ウクライナは今年に大統領選が行われて、元俳優でありコメディアンのウォロディミル・ゼレンスキーが、前大統領のペトロ・ポロシェンコにほぼトリプルスコアで破り当選。政治経験はない。
そんなゼレンスキーが、ツイートでウクライナと元プロロードレーサーのランス・アームストロングを比較して声明を上げた。
“Despair destroys us or makes us stronger,”
絶望感は私たちを破滅させるか、私たちを強くします。
“Today, Ukraine is at this crossroads.“We're the Apple, starting in the garage.We're Lance Armstrong, defying the odds.
今日、ウクライナはこの岐路に立っています。ガレージから始まったアップルと同じです。私たちはランスアームストロングであり、難しいことを成し遂げようとしています。
“The dark times that have held us back are receding as we look to a future full of opportunities.”
私たちの成長を妨げてきた暗黒時代は、チャンスに満ちた未来に目を向けるにつれて後退しています。
ランス・アームストロングは、一時癌の宣告を受けるも、見事に復活してツール・ド・フランスで総合優勝を成し遂げている。
このことから、厳しい状況の今からでも立て直せると言いたいということ。
そこまで言うウクライナは一体どうなっているのか?
ウクライナ情勢
ウクライナは、東ヨーロッパに位置する国家で日本にはあまり馴染みがないが、チェルノブイリ発電所がある国といえば一番わかり易いと思う。
すぐ東にロシア連邦があることから、経済的にも政治的にも密接なつながりがあったが、1991年以降、特に2014年のクリミア危機以降から関係が悪化。
2018年9月にはロシアとの友好協力条約を延長しないとロシアに通告したほど。
ロシアとの関係悪化でウクライナ経済は極度に落ち込み、2015年の経済成長率は-11.6%となり、1人あたりのGDPも1,854ドルと欧州内最底辺クラスまで低下。
親露と親欧米
ロシアとの関係悪化の影響はそれにとどまらず、内戦にも波及した。
下画像は、欧米のメディアで報道されていたもの。
西側のオレンジの部分が親欧米、東側の青の部分が親露。
元々ウクライナは、ロシアと隣接する東側とそれ以外ではっきりと支持層が分かれていた。
新欧米派はEUへ加盟してヨーロッパとの統合を図ろうとするが、親露派はそれを拒む。
はっきりと支持層が分かれているから、当然でてきそうなのが東西分裂。例えば東側をロシアに編入して西側だけを統治するということ。
しかし、東部には豊富な地下資源が残っており、西側には事故が起きたまま国家予算の1割をかけて保持しているチェルノブイリ原子力発電所がある。分離すれば到底やっていけない。
近年は反露政策を続けているため、東側のロシア系住民の不満が募りデモや紛争が勃発。
つまり、ウクライナの情勢はもうめちゃくちゃや。
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