ロードレースでは、しばしばその土地での反対運動などが起きて、警察が介入したりレースが中止になったりする。
一昨年だか昨年だかのツールでも、現地の農家が抗議運動を起こして警察が催涙弾を打つという自体が起こった。
ちなみにその催涙弾の残滓を受けて、目を痛めた選手も居た。
今回は、香港でそういった事が起こった。
情報源：Hammer Hong Kong race cancelled due to democracy protests | Cyclingnews
ハンマーシリーズ
今回は、香港でハンマーシリーズが行われる予定だった。
まず、香港の問題の前にハンマーシリーズについて説明する。
弱虫ペダルからロードレースに興味を持ち始めた人は、必ず実際のレースに違和感を憶える。
なんで全チームで固まって走るのかとか、なんで1位じゃないのに総合優勝なのかとか。
作者によると、わかりやすいようにルールを改変したとのこと。
ハンマーシリーズとは、まさに弱虫ペダルな世界。
まず、1,2日目に稼いだポイントで、3日目のスタート順が決まる。
3日目は時間差をつけてスタートしていき、最終的に1番最初にフィニッシュしたチームの勝利。
ドラフティング（風よけ）をしていいのは自チームのみという、弱虫ペダルから構想を得たのではないかというレベル。
ハンマーシリーズはつい最近できたもので、できた理由はワールドツアレース利益のUCIやASOなどの中抜きがひどかったから。
中抜きがひどいなら、自分たちで開催しようというのがハンマーシリーズの狙い。
香港デモ
そして、今回は香港でそのハンマーシリーズが行われるはずだった。
しかし、今話題のデモのせいで中止となった。
Twitterでも何度か見た人もいるかも知れないけど、香港で行われているデモとは何なのか？
この記事から色々と引用した。
【解説】 なぜ香港でデモが？ 知っておくべき背景 - BBCニュース
香港はかつて、150年以上にわたってイギリスの植民地だった。返還後の香港は香港特別行政区となり、独自の法制度や国境を持つほか、表現の自由などの権利も保障されている。
例えば、中国国内にありながら1989年の天安門事件について市民が追悼できる、数少ない場所となっている。
香港にはなお、中国本土にはない自由がある。しかし、それも徐々に減っている。
この抗議活動は、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものだ。
今回の抗議デモの参加者は、逃亡犯条例の改正案が通ってしまえば、中国政府による香港統治が迫ると考えている。
まとめると、イギリスの植民地支配が終わった後の香港は中国ではなく香港という国のようなもの（特別行政自治区）だった。
香港では、建前上中国のような共産党独裁の影響を受けないで、言論の自由がある。宗教もイギリス由来のクリスチャンが多い。
今回逃亡犯条例が改正されることで、香港の一般人が中国の司法で裁かれてしまう恐れがある。
中国は司法がきちんと作用されているとは言い難く、濡れ衣を着せられて処罰を受けている人が山ほどいる。
しかも、中国では拷問もある。
7月にはスウェーデン最高裁が、国際指名手配されていた中国人の男を「拷問の恐れがある」として引き渡しを認めない決定をした。
「拷問の恐れ」中国に引き渡し拒否 スウェーデン最高裁：朝日新聞デジタル
こういった条例や法律を変えていずれ香港を支配するのでは、ということがデモにつながっているみたい。
デモの影響
抗議デモは、さらなるエスカレートを見せている。
つい最近、香港警察がデモ参加者に実弾を初めて発砲して、1人が重症を負った。
さらにはこの3ヶ月毎日のように催涙弾を打ち込まれて、失明した人も多数。
右派系YoutuberのKAZUYA氏の動画では、実際の香港デモの様子が見られる。
このデモによってハンマーシリーズは中止になったけど、これによってシリーズチャンピオンがJumbo-Vismaに決まった。
"We're sorry that the fans won’t get to see the best teams in the world go all-out for overall victory in the Hammer Series in Hong Kong again this year,"
今年も香港で、ファンが世界最高のチームを全面的に勝利に導いてくれないことを残念に思う。
"However, Team Jumbo-Visma were the standout team of this year's Series and they deserve the title. We are already in the middle of planning next year’s Hammer Series and we look forward to being back in Hong Kong for the big Hammer Series finale in 2020”.
しかし、チームユンボ・ヴィスマは今年のシリーズの傑出したチームであり、彼らはタイトルに値する。すでに来年の2020ハンマーシリーズの計画の真っ只中にあります。
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