8月にプロロードレーサーを引退し、新たな人生を歩みだしたマルセル・キッテル。つい先日はさいたまクリテリウムで来日し、日本のファンとも交流した。
4回出場したツール・ド・フランスで通算14勝もしている偉大なスプリンターのキッテルは、選手時代にうつ病を患っていた可能性があると明らかにした。
契機
うつ病になったとされる年は、2015年のGiant-Alpecin時代。
前年度はジロで2勝ツールで4勝と大変充実したシーズンとなったが、2015年は2月にウイルス性の感染症を患い、3ヶ月もの間レースからの離脱を余儀なくされた
今思えば、この回復の時にうつ病を患ったという。
“Only then did I really fall into a hole,”
その時、私の気持ちは本当に落ち込んでいました。
“I don't know how depressed people feel, but I think I went in that direction.”
落ち込んでいる人の気持ちはわかりませんが、そんな感じだったと思います。
復帰後も本来のパフォーマンスに戻すのには時間がかかり、目指していたツール・ド・フランスへの出場も叶わなかった。
この決定がチーム首脳陣との溝を深め、移籍を決定する事になった。
引退へ
翌年の2016年にはグランツール3勝、2017年にはツール5勝と完全に本来の力が戻ってきた。
しかし、2018年に入ると競争力は激減。
集団スプリントに絡むこともままならず、結局シーズン2勝とここ数年で最悪の戦績に。
そして今シーズンもそれを引きずり活躍できず。
5月に入るとついにチームとの契約を解除し、休養へ。
休養に入ると今までの鬱憤を晴らすがごとく、旅行やマウンテンバイクを楽しんだ。
しかし、8月にプロ人生の引退を表明。
理由としては、プロの厳しい生活に嫌気が差したということ。
世界のいろいろなところに移動するロードレーサーは、シーズンの大半を遠征・ホテル暮らしに費やし、家族と交流をする時間がない。
このことにキッテルは限界を感じた。
引退その後
厳しい現役生活を終えたキッテルは、一般市民の生活に慣れるにはある程度の時間が必要と言っている。
“I have to make sure that I take the time to cool down,”
時間をかけてクールダウンする必要があります。
“From top athlete to normal life.That is difficult and that is why I try to find things in which I can put my energy.
トップアスリートから通常の生活へ移行するのは、とても難しいことであり、私が自分のエネルギーを入れることができるものを見つけようとする理由です。
キッテルは現在、テレビ局で仕事をしながら自宅徒歩圏内のコンスタンツ大学で経済学を勉強している。
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